Montserrat Petit氏は、バルセロナを拠点とするマーケティング会社MOND Marketing On Demandの創設者兼マネージングディレクターである。
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Montserrat Petit氏(マーケティング会社MOND創設者兼マネージングディレクター)
現代社会では、私たちは常にありとあらゆる形式、形、色、音で、あらゆる情報にさらされている。私たちの脳は毎日何千ものメッセージを受け取り、その度に話題を切り替えている。仕事では、ビデオ会議、インスタント・メッセージ、Eメール、電話、対面ミーティングをこなしながら、緊急の用件が発生し、即座に対応する必要がある場合に備えて携帯電話からも目を離さない。ほんの数年の間に、余暇に映画を見ることから、ユーチューブの動画、TikTokのクリップ、インスタグラムの広告へと、世の中は移行した。
無限の選択肢があるこの慌ただしい環境の中で、長続きして利益を上げることを目指すブランド企業は、群を抜いて目立つ方法を見つけなければならない。インターネットによって革命的な変化を遂げたマーケティングは、あらゆるビジネスプランの重要な要素となっており、企業はそれに多大なリソースを割いている。
しかし、全てのマーケティングが企業の目的を達成できるわけではない。今日、顧客はマーケティングに対する意識が高く、要求が厳しく、ブランドへの忠誠心が低くなっている。
つまり、企業はマーケティング・アプローチに非常に知恵を絞り、自社の価値や製品を真に反映させ、競合他社と差別化し、最終的に、そして最も重要なことだが、売上を促進する効果的なマーケティング戦略を設計しなければならない。
「効果的なマーケティング」とは、デジタル(または現代的な)マーケティングを優先し、オフライン(または伝統的な)マーケティングを忘れなければならないという意味ではない。そうではなく、効果的なマーケティングとは、ターゲットオーディエンスにインパクトを与える独創的で創造的かつ思慮深いアイデアで強力な戦略を定義し、首尾一貫して密着した巧みなメッセージに支えられ、明確に定義されたタイムリーなアクション・プランに従うことを意味する。
効果的なマーケティングを実現するために何が必要かわかったところで、次はその実行について話そう。優れたマーケティングアイデアは、企業がそれを適切に実行できないために、往々にして死んでしまう。一方、優れたマーケティングアイデアは、完璧に実行されれば、素晴らしい成功を収めることができる。
企業の種類や製品によって理由は異なるが、現在、多くのブランドはデジタルマーケティングだけに、注力している。グーグルやユーチューブの広告、インスタグラムの動画、TikTokのクリップ、ウェブバナー、SEOやSEM、製品プロモーションのためのインフルエンサーの雇用などに、ささやかな予算から数百万ドルまで投資している。これらのブランドが生き残るためには、常に新しいコンテンツを配信し、これまで以上にクリエイティブで魅力的であることが必要だ。そうしなければ、これらのブランドが衰退して死んでしまうのは時間の問題だ。
最初は、デジタルマーケティングは楽しく、現代的で、印刷されたマーケティングよりもコストがかからないように見えるかもしれない。しかし、デジタルマーケティングのみでブランドを宣伝することには高いリスクが伴うのだ。インターネット上には膨大な量のコンテンツが存在し、オンラインの顧客の注意を引ける時間は短いため、あなたのブランドは何百万もの他のブランドと競合することになり、すぐに忘れ去られ、あなたのブランドよりも活発で、浸透していて流行しているブランドに取って代わられる可能性があるのだ。
私たちはいつも、オンラインのマーケティングは暖炉のようなものだとお客様にお伝えしている。あなたの製品をオンラインでブランディングすることは、より多くの丸太を燃やすための絶え間ない戦いなのだ!
だから、オンラインのマーケティングは必須であり、大きな利益をもたらすことができるとしても、消費者行動の形成に役立つオフラインのマーケティングの影響力の大きさや、両方のタイプのマーケティングをミックスすることで増幅される利益を無視してはならない。
消費者行動に影響を与える手段としての感覚的マーケティング
(五感: 嗅覚、視覚、味覚、聴覚、触覚)
デジタルのマーケティングが顧客の視覚と聴覚に働きかける一方で、ブランドは印刷物や物理的なものんによるオフラインのマーケティングを組み合わせて、嗅覚、視覚、味覚、聴覚、触覚の五感に働きかける必要がある。
私たちは毎日膨大な量の情報を受け取っているため、脳は記憶に残る体験を作り出すことでしか、強い印象を与えるものを保持することができない。もちろん、記憶に残る体験をするためには、感情が非常に重要な役割を果たす。その体験や出来事に、より多くの感覚が関与すればするほど、よりインパクトのあるものになる。
感覚的マーケティングとは、顧客の感覚をターゲットにして、製品やブランドとの感情的な結びつきを作り出すマーケティングの一形態である。消費者の行動に影響を与えるために、さまざまな感覚的刺激を利用する。複数の感覚に働きかけることで、ブランドは消費者に持続的な印象を与えることができる。感覚的マーケティングはまた、消費者の行動に影響を与えるために用いることもできる。例えば、特定の香りは売上を伸ばし、特定の色は製品の品質に対する消費者の知覚に影響を与えるという研究結果もある。
印刷されたマーケティング資料は、感覚的マーケティングの実現に役立つ
全体として感覚的マーケティングは、記憶に残る顧客体験を創造し、売上を促進しようとするブランドにとって、ますます重要なツールとなっている。例えば、ハンドローションや香水のサンプルを同封した雑誌広告や、富と威信を反映した特別な紙に印刷された新しい会社案内を見込み客に送る高級金融サービス会社などである。
パンフレット、カタログ、チラシなどの印刷物は、潜在顧客の手に残る物理的なアイテムであるため、再び見直す事や想起する事が容易で、自由に読むことができ、さらに他の人と共有することもできる。例えば、企業がトレードショーに出展する場合、(PDFやEメールではなく)印刷した製品パンフレットやポストカードを配布し、顧客に企業イベントへの参加を呼びかけることで、潜在顧客がそのブランドのことを忘れてしまうか、トレードショーが終わった後もずっと覚えているかの違いを生むことができる。
印刷されたマーケティング資料は、手頃なコストでデジタル制作することができ、ターゲットとなる顧客が最も多く集まる場所に戦略的に配置することができるため、費用対効果が非常に高くなる。典型的な例としては、不動産会社が新しい住宅開発に関するチラシを地元のカフェや食料品店に置くことで、ターゲットオーディエンスにリーチできる。
印刷されたマーケティング素材はまた、人々が会社を連想する特徴的な用紙、デザイン、フォント、配色を使用することにより、ブランド認知を構築するのに役立つ。この戦略は、将来にわたって会社やその製品、サービスを覚えていてくれる可能性の高い忠実な顧客層を作り出す上で非常に効果的である。
最後に、印刷マーケティングは、企業が潜在顧客の目に信頼性と信用を確立するのに役立つ。質の高い印刷マーケティングに投資している企業は、自社のビジネスに真剣であるという印象を与え、一般的にデジタルマーケティングだけに頼っている企業よりも信頼できると見なされる。その結果、潜在顧客からの信頼が高まり、ブランドの認知度も向上する。
結論として、デジタルマーケティングの台頭にもかかわらず、オフラインのマーケティングは、顧客の五感に「触れる」ことが非常に多いため、効果的なマーケティング戦略には欠かせないものであることに変わりはない。情報への具体的なアクセス手段を提供するため、マーケティングミックスの中に印刷物を取り入れることを決めたブランドは、ターゲットオーディエンスの間で信頼性と信用を確立する上で一歩リードしている。
drupaは、オフラインのマーケティングに大きく支えられた五感マーケティング活動の完璧な例である。ここでは、消費者の五感にインパクトを与えるような方法で新技術が紹介され、記憶に残る有意義な体験ができる。オンラインだけでは不十分なのだ!
著者について
Montserrat Petit氏は、バルセロナを拠点とするマーケティング会社であるMOND Marketing On Demandの創設者兼マネージングディレクターである。アメリカ、ラテンアメリカ、イギリス、フランス、マルタ、スペインのテクノロジー企業や金融サービス企業で20年以上のマーケティング経験を持つ。アドビとHPでは、エンドユーザーとチャネル・マーケティング、デマンド・ジェネレーション、プロダクト・マーケティング、マーケティング・コミュニケーションを国、地域、世界レベルで指揮した。最近では、アフリカに投資する大手金融サービス会社でマーケティング・コミュニケーション部長を務めた。2021年、彼女は自身のマーケティング会社を設立し、カスタマイズされた効果的なマーケティング戦略や活動で企業をサポートしている。
“デジタルマーケティングは必須であり、大きな利益をもたらすことができるとしても、消費者行動を形成する上でオフライン・マーケティングが持つ多大な影響力を無視してはならない。”
“両方のタイプのマーケティングを組み合わせることで、より大きな利益を得ることができる。”
“多くの場合、感覚的マーケティングは印刷物の助けを借りてのみ達成できる。”