デジタル印刷のDurstは自社技術を生かしてマスクを製造
コロナウイルスの件で各企業はいろんなことを考えている。自社の技術に基づいて協力することはないだろうか。印刷関連の事例を紹介する。
最先端のデジタル印刷および製造技術の世界的大手メーカーであるDurstは、4月中旬からイタリアのBrixenにあるデモセンターで、コロナウイルスに対応し、デジタル印刷で布地に各種絵柄を印刷し処理システムの産業作業環境向けに使用できる高性能フィルター機能を備えたマスクを製造している。“Community-Masks”と名付けられ、95%の高い濾過効率を持っている。
この背景には、長年の印刷のフィルターシステムの経験を活かしている。フィルターシステムは、印刷機の一種の「クリーニング機能」を利用して、インク供給システム内の微粒子を濾過し、プリントヘッドが詰まらないようにしている。
マスク仕上げは、イタリアのブルネックにある社会協同組合「VergissMeinNicht」(vergissmeinnicht.bz.it)が、国境を越えた若い労働者や障害を持つ人々に仕事の場を提供し、マスクの処理と組み立てについてパートナーとして協力している。
製品の性能は、独立した機関によって測定値が検証されて良いマスクであるが、このマスクは医療用ではない位置づけにしている。 VO(E)2016/425に準拠した保護装置または指令93/42 / EECに準拠した医療機器ではない。
出典 https://www.adsalecprj.com/en/video_show-326.html
出典からマスクの性能を引用すると、以下のようである。この製品は詳細が分からないので断定はできないが、3枚を接着する方法は、米国では超音波シールを使用している例がある。ヒートシールよりは高速化でき、シール部のきれいである。
当分マスクは必需品ですね。コロナウイルス対策で包装関係でも、自社の技術を使用して出来ることがありまそうですね。米国のAptarは、マスクの殺菌パウチを提案しています。また、ポーションパックのあるメーカーは、ジャムの代わりに消毒薬を充填しています。
いつの時代もそうですが、知恵を出して実行することが大切ですね。
次号に続く
著者紹介
住本技術士事務所 所長 住本充弘(すみもとみつひろ)
技術士(経営工学)、包装管理士((社)日本包装技術協会認定)
日本包装コンサルタント協会会員・理事
技術士包装物流グループ会員・理事
日本包装学会会員