マーケティングを行うにあたっては、全てのマーケティングチャネルと顧客との結びつき(エンゲージメント)のための印刷物、パッケージ、ドキュメント、POSディスプレイ、ギフト、サイネージ、ビラ等を、製作し、在庫管理を行い、そして出荷するために巨額の費用を必要とする。この文章は、このマーケティングのオペレーションを管理、制御することが、いかに市場戦略の効率化、ビジネス価値の向上と競合優位の確保に、抜本的な影響を与える事を探求する。
主なポイント:
- 伝統的なマーケティングチャネルへの投資はここ数年減少しているが、印刷物等のマーケティング資材は、マーケティングミックスの重要な位置を占めている事に変わりはない。
- マーケティング資材のサプライチェーンでの誤りは、費用の増大と、営業と商談プロセスを確保する機会の喪失を意味する。
- どの印刷物が必要で、いつ必要で、いくつ必要なのか、という設定は、マーケティング資材のサプライチェーンをコントロールしようとするマーケティングの管理職の心をつかむであろう。
イントロダクション:
マーケティングを行うにあたっては、全てのマーケティングチャネルと顧客との結びつき(エンゲージメント)のための印刷物、パッケージ、ドキュメント、POSディスプレイ、ギフト、サイネージ、ビラ等を、製作し、在庫管理を行い、そして出荷するために巨額の費用を必要とする。このマーケティング資材のオペレーションを管理、制御することが、市場戦略の効率化に大きく影響を与える事は、マーケティング予算の適正な分配が、ビジネス上の価値と競争優位を産み出すことと同等である。
数年前から、伝統的なマーケティングチャネルに投資が減少してきた一方で、マーケティング資材はマーケティングミックスの重要な一部である。800社の企業に対して、InfoTrends社は2015年の「ミクロからメガ:ビジネスコミュニケーションのトレンド」 という調査を行った。回答社は現在、印刷物が29%のマーケティング支出を占めると述べた。全体的な印刷への支出は2017年に25.9%まで減少することが想定されているが、依然として重要なコミュニケーション手段である。
マーケターは、資材の供給、物流管理、利用頻度、地域化のニーズ等を見定めなければならない。マーケティングのサプライチェーンでの誤りは、費用の増大と、営業と商談のプロセスを確保する機会の喪失を意味する。経済が上向き、商談を生むプログラムに再び投資を増加する中でも、マーケターは適切ではないサプライチェーン管理からもたらす浪費を無視してはいけない。
InfoTrends社が2016年に行った「ドキュメント・アウトソーシング・サービスの拡張」という調査には、250社の北米企業に対して、78%の回答者は印刷物のサプライチェーンを効率化する事が戦略の最重要項目だと述べた。1万人以上社員を雇用している、あるいは50億ドル以上の売上がある企業は、それ以外の企業よりもさらに効率的にコミュニケーションのサプライチェーンを制御する事を重視する。
グラフィックコミュニケーション市場にとっての、この瞬間の重要さ
グラフィックコミュニケーションの市場にいる人間に向けて、新しいキャッチフレーズ「carpe diem (この瞬間を大切にしろ)」を紹介しよう。サプライチェーンの効率化を高いレベルで行うにあたって、印刷会社はマーケターのニーズに沿った強力な価値提案を行わなければならない。マーケティング資材のサプライチェーンとは、顧客がその製品やサービスのマーケティングを行うために必要なマーケティング用資材(印刷物、プロモーション素材、POS)の生産に委託しているサプライヤーの鎖(チェーン)である。時間が経過するにつれて新たなパートナー、製品、技術などが追加され、そのサプライチェーンは膨張し、扱いづらくなり、コストは上昇し、サービスレベルは下降し、最後には制御を失うのだ。
デジタルカラー印刷機、SAAS (ASP) 、ウエブツープリントといった新しい技術のメリット生かし、顧客のサプライチェーンを最適に管理することにより、全体的なマーケティング支出を削減し、効率性を高められるという基本に立ち返るべきであろう。どの印刷物が必要で、いつ必要で、いくつ必要なのか、という設定は、マーケティングのサプライチェーンをコントロールしようとするマーケティングの管理職の心をつかむであろう。
印刷会社は顧客に対して、マーケティング資材のサプライチェーン全体を統括させていただきたい、というアプローチを行うことができる。そのためには、効率の低い所を特定し、潜在的なコストダウンを示し、ビジネスを行う上で最適なマーケティング資材のサプライチェーンを構築するためのコンサルティング的なアプローチが必要となる。特定の印刷物を製作することが出来ないとしても、パートナーから購入することにより、生産、調達から出荷までの全体のサプライチェーンを管理することができる。印刷会社は各素材が利用された頻度、使用量等の情報で効果に関する情報を提供し、顧客の経営者が、その販売チャネルにおいてどの素材に価値があったか、を理解してもらうことが出来る。
この価値提案はまだ有効だ!
あなたの今使っている言葉を変えるべきであろう。印刷会社にとって「ウエブツープリント」というツールセットはもちろん大事だが、本来販売すべきものは「マーケティング資材のサプライチェーンの最適化」なのだ。この価値提案は新しいものではないが、かつてなかったほど重要さを増している。サプライチェーンを最適化することによって:
- 組織全体が利用可能なマーケティングストア:エンドユーザーがオンデマンド(必要な時に必要な物を)でマーケティング資材を発注できるようになる。名刺、カタログ、DM、文房具、販売促進用などが 24時間365日アクセスすることができる。
- ブランドの一貫性:このソリューションは、ブランドルールを改善し、一定の場所に変更を加える事を許可することができる。ストアフロントのカタログに、最終マーケティング資材、あるいは製作用のテンプレートを掲載することができる。マーケティングの管理職は、どのアイテムが固定で、どのアイテムがデザイン変更可能かを決定することができる。 変更は組織全体に瞬時に浸透させることができる。それはブランドを守ることではないか!
- カスタマイズされたコンテンツ:遠隔地の支店、現場の営業、あるいはフランチャイズ店などが特定のターゲットに向けて、あるいは地域に合わせるように、マーケティング資材をパーソナル化できる。
- デジタル資産管理:マーケティング資材およびデジタル資産を1か所に統合することにより、ブランドを管理しやすくなる。
- 時間管理:自社専用にカスタム化されたウエブツープリントのページによって、オーダープロセスを中央集中、一本化することにより、時間の節約になる。
- 費用を抑制し利益に貢献:顧客が必要な時に必要な物を印刷するオンデマンドのメリットを受益しながら、同じ印刷会社に発注する事によって、“まとまった”金額のコスト削減が可能である。マーケティング資材の単価削減のために一括発注して倉庫で管理する必要がなくなる。期限切れの資材の廃棄もなくなる。
- 測定、メトリック、予算管理:資材の利用状況を測定することにより、市場のニーズとそのアイテムの全体的な価値を理解する体系的アプローチとなる。支社、部門等に専用の予算を施し、それを遵守させる事も可能である。
- 在庫管理:在庫している資材を管理しやすく、必要な時にだけ印刷することが可能である。
- 承認プロセス:マーケティングのメッセージに関してなんらかの課題が発生した場合、サプライチェーン最適化のソリューションは、認証プロセスとして運用できるので、リスク回避ができる。
結論:前進あるのみ
この商談の最初のステップはマーケターと、マーケティング資材のサプライチェーンに課題があることを、お互いに認識することである。最新の統計および調査によれば、ほとんどマーケターは予算が減少しつつある中で、サプライチェーンにおけるコスト削減を行うべきだと認めている。マーケティングの効率性を高めるため、印刷会社は顧客と協働的な関係を成立させなければならない。あらゆるマーケティング部門の責任は商品、在庫、価格、オーダートラッキング、インセンティブ、キャンペーン、販売といったあらゆる情報を提供することであり極めて多岐に渡り、時間が無い。販売チャネルからのニーズと、技術に裏付けされたサプライチェーンソリューションの開発に集中できれば、組織を差別化することができる。これによって競合他社に対して優位となり、マーケティング情報が必要な時に、必要なものを、必要な数量届ける事をサポートするであろう。
By | Barb Pellow |
Published | 2016年9月29日 |
原文 | http://whattheythink.com/articles/82514-print-supply-chain-optimization-critical-marketing-priority/ |
翻訳協力 | Scott Coffrin |