Hunkeler Innovationdaysは、皆さんが通常期待するような印刷の展示会ではない。他の展示会とは異なり、派手なブースの設営やホールの雑音は一切なく、最先端のデジタル印刷および仕上げ機器のみが、連携したアプリケーションソリューションとして展示される。2023年に、4日間にわたって開催されたこのイベントには100社を超える出展者が参加し、100カ国から約6,500人が来場した。 関心の高まりを受けて、今年は、展示スペースを拡大する予定だ。
背景
スイス、Wikonに本社を置くHunkeler AGは、紙仕上げ加工ソリューションのリーダーとして100年以上の歴史を歩んできた。Hunkeler Innovationdaysは当初、パートナー企業と最新のデジタル印刷機器、仕上げ機器、ワークフローをいくつか持ち寄り、包括的なソリューションを披露する場として開催された。周知の通り、「印刷は仕上げられて初めて完成する」もの。今年もHunkeler Innovationdaysは、スイスのLucerneに戻ってくる。非常に焦点を絞った2年に1度のイベントは、コロナ禍後の2023年2月に開催され、期待を上回るものだった。
Innovationdaysとは
他の展示会とは異なり、派手なブースの装飾や他の会場の雑音は一切なく、アプリケーションソリューションとして展示されるのは最先端のデジタル印刷と仕上げ機器のみ。印刷展示会の派手な演出や誇張を排除し、ブースは出展者をほぼ対等に扱う簡素なカーテン間仕切りスタイル。唯一の魅惑といえば、開催地であるスイスのLucerneの街だろう。世界で最も美しい街のひとつであり、冬でも、特に冬だからこそ、その美しさが際立つ。今年はイベントの終わりにLucerne祭りが開催される。イベントを体験したことのない方にとっては、行くもう一つの言い訳となるだろう。
正直言って、Innovationdaysは皆さんが通常期待するような印刷展示会ではない。2023年には、4日間にわたって100を超える出展者と100カ国から約6,500人が参加した。関心の高まりと多数の新規出展者の参加を受け、今年は展示スペースを拡大する予定だ。
規模はややコンパクトだが、イベントは国際色豊か。Innovationdaysの独自性は、印刷やパッケージ会社が包括的ソリューションの可能性を見極めたいという熱い想いの結晶といえよう。印刷仕上げ機器の世界最大のメーカーとして認められているHunkeler AGが、ほぼすべての印刷機メーカーおよび多くの印刷仕上げ機メーカーと提携しているからこそ実現できることなのだ。
Hunkeler AGは2023年12月に同族会社のMüller Martini AGに買収され、強力な印刷後処理のグローバル企業が誕生した。新たに統合された両社は、投資の大切さを信じており、売上高のかなりの部分を研究開発に充て続けている。
世界中の国々の市場が変化し続ける中、お客様とパートナー企業を最大限にサポートする接続性、流通、サポートパートナーシップが鍵となっていく。各社のブランド、製品、開発はそれぞれの会社に任されるが、特に自動化の分野では、将来の製品についていくつかのコラボレーションが期待される。Hunkeler Innovationdays、そして何よりも、合併後の新会社は間違いなく成功を収め続けるだろう。彼ら自身の言葉によれば、「パートナーシップとは、長期的な戦略的関係を築くこと」だからだ。この哲学は、今回のイベントでも明らかに表れている。かつてないほど、完全自動化されたワークフローは、労働力とコスト削減や迅速な納品が求められる産業用インクジェット技術の成長と影響を考えると、タイムリーなトピックといえよう。
従来、多くのプリンターメーカーがInnovationdaysを新製品やアップグレード製品の発表の場としてきた。今年はdrupa 2024の追い風がなくなったばかりだが、変化する市場のニーズに対応するために、連続給紙システムと枚葉給紙システムの両方、そして、ワークフローが紹介されるだろう。
主なハイライト
キヤノンは、500フィート/分以上の速度で印刷可能な連続給紙産業用インクジェットプリントソリューションProStream 3000シリーズの最新アップデートと、枚葉VarioPrint iXシリーズの最新バージョンを展示する。 これらのプラットフォームはいずれも、オフセットコート紙を含むさまざまな用紙に1200×1200 dpiのオフセット品質で印刷できる。
HPは、HP Brilliantインクを搭載した最新の高機能産業用インクジェットプリンターPagewide Advantage 2200を展示する。構成可能なよりコンパクトな新しいプラットフォームは、最高800フィート毎分の高速で高品質モードでの印刷が可能だ。
昨年、Kodakは「Prosper Ultra520」を発表した。新しい印刷機は、最高500フィート毎分のオフセット品質に匹敵する仕上げソリューションを、Ultrastream連続インクジェット技術で実現している。
リコーは、フラッグシップ機である最高速度492フィート/分のRicohPro VC 80000の最新バージョンを展示すると思われる。Ricoh Pro Scanner、Ricoh Automation Suite 、Ricoh Supervisorの人工知能(AI)と機械学習(ML)によるビジネスインテリジェンス機能が搭載されている。枚葉ソリューションもいくつか展示されるかもしれない。
SCREENは、広色域インクと、ヒートドラムとエアナイフによる低熱3段階乾燥技術を搭載したNIR乾燥装置を備えた最新バージョンのTruepress Jet 560HDXを展示する。
Xeikonは、同社のグラフィックアートアプリケーションプリンターSirius SX30000を展示する予定。
Connectのテーマに沿って、Bluecrest、富士フイルム、京セラ、Riso、Scodix、PSIなどの企業が、印刷および装飾ソリューションを紹介する。Horizon、Müller Martini、Duplo、Bluecrest、Bowe Systec、Kern、W+D、Contiweb、c.p. bourg、digibook、Harris & Bruno、Ibis、Meccanotecnica、Plockmatic、Quadientなど、32社以上の仕上げ機器サプライヤーが参加予定だ。ソリューションの多くは、印刷機と併せて、あるいはブースにて展示される。
もちろん、Ultimate Technographics、Enfocus、Hybrid Software、ePS、FourPees、Hybrid Software、Impressed、Ironsides、OneVision、SpencerMetrics、UltimateTech、XMPie Software、その他多数によるマテリアルハンドリングやワークフローソフトウェアソリューションも展示される。
印刷会社、業界メーカー、サプライヤーにとって、最新の製品を間近で確認できるので、イベントは必見だ。もっと重要なのは、印刷会社として、産業用インクジェット印刷や仕上げ加工の最新製品を実際に目で見て比較し、それらを統合してプロセスを自動化し、個々の要件に対応する方法について疑問点を解決できる、おそらく唯一のイベントだといえよう。
もちろん、HunkelerとMüller Martiniは、インテリジェントなネットワーク化と高度な自動化プロセス、およびカスタマイズされた印刷製品に重点を置き、従来からのトランザクション、書籍、DMを対象としてきた最新の仕上げソリューションを展示する。新世代製品は、今必要とするソリューションだけでなく、明日のソリューションをも視野に入れて設計されており、彼らは言及しないかもしれないが、これらの新ソリューションの中には「パッケージングへの対応」もあるようだ。ほとんどのインクジェットプリンターメーカーと同様に、パッケージングソリューションにも焦点が当てられることになるだろう。
今年のイベントのテーマは「CONNECT」で、これまでと同様に、参加者が学び、ネットワークを広げることのできるDOXNETのオンサイト会議が開催される。展示会の大きな目的は、出展者や同業の印刷サービスプロバイダーとつながること。会場の至る所、カフェテリアなど、多くの場所で交流することができる。
業界全体がよりつながりのあるビジネス、および生産環境へと向かっている。Hunkeler Innovationdays 2025は、新たな状況を見添えた、印刷会社が今日と明日の準備に役立つソリューションを展示する。Hunkeler Innovationdays 2025は2月24日から27日までの開催。まだ登録されていない人は、まだ間に合うので、是非登録と旅行の計画を立てていただきたい。世界中の数多くのカンファレンスや展示会に参加してきた経験から、このイベントはユニークで期待を裏切らないものになるだろうと断言できる。
By | David Zwang |
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Published | December 19, 2024 |
原文 | Hunkeler Innovationdays: More Important Than Ever! |
翻訳協力 | Michel Shinozak |