Canon Inkjet drupa 2016 (WhatTheyThink?)

キヤノンは新製品の発表の多くをdrupaまで待てなかった。昨年2月のHunkeler Innovation Days (和文一部)においていくつかの重要な商品の発表を行っている。その時に発表された幾つかの商品は迅速に展開されている。実際にキヤノンは2015年を、グローバル市場でのインクジェット機設置数を6年連続の第1位で締めくくっている。キヤノンは2016年の終わりには1,000台のインクジェットエンジンの設置をグローバルで超えると予想している。これらはグローバルの数字だが、米国市場での数字はリコーとスクリーンのコンビ(http://whattheythink.com/articles/70612-production-inkjet-next-wave-ricoh-pro-vc60000/)に出し抜かれている。

キヤノンの米国市場で2016年にNo.1になるという目的は、疑いもなく新しく発表されたColorStream Mono、ColorStream 6000とブレークスルーとなるVarioPrint i300枚葉機がサポートするであろう。キヤノン・ソリューションズ・アメリカはi300を既に15台設置しており、発売後1年未満の印刷機としてはまずまずの出足であろう。設置が終わると立ち上がりは早く、設置された機械は平均250万ページ以上を月間で出力し、累計で7100万ページを出力している。お客様のProgressive Impressions社は単月で850万枚を出力した。今の段階ではi300の稼働時間率は95-98%となっている。40-60%のi300のユーザーはiGenから移行しており、電子写真の枚葉機の代替としてコスト効率がよいというのを実証している。

約束通りdrupa2016において、キヤノンはi300の画像処理システムのアップグレードを行う。アップグレードにはキヤノンがColorGripと呼ぶスポット・プリコート(部分的に事前塗布を行いインク需要層を形成する)がある。この新しい機能はプリコートを後にインクが載る部分だけに行い、インクを紙の上に高くとどめ、コントラストをよくしている。さらには新しいインクを、通常の非インクジェット紙への品質を高め、より幅広いメディアに対応するために発売している。これらの強化はi300が商業印刷の市場に受け入れられるべく、その画質の改善を目的としている。

メディアの拡張は、電子写真からインクジェットへの滲みだしを加速するだけでなく、時間をかけてオフセットも対象だ。より幅広いメディアをサポートするためキヤノンメディアラボは大忙しである。既にColorStreamからi300に至るまで1000種以上の紙を評価している。 最も重要なのは、メディア&ソリューションラボは既に、i300の紙対応をさらに広げるColorGripでのテストを始めており、これから導入する顧客の使用にタイムリーに間に合うべく準備していることだ。私は彼らが検証中のグロッシーのフォトペーパーに似た紙を見たことがあるが、極めて印象的であった。下記のアニメーションでColorGripを見る事ができる。

ColorGrip シュミレーション

出典: Canon

キヤノンはさらにBLMブックレットメーカー(中綴じ機)とTecnau1530パーフォレーター(穴あけ機)をi300用にサポートする。drupa2016においてキヤノンは3000Z のプラットフォームでコスト効率の高いモノクロ専用機を発表する。分速417フィート=127mで染料、顔料インクに加えてMICRインクも利用可能である。他のメーカーと同じくキヤノンもモノクロ印刷に大きな需要があると考え、米国のみで年間1000億枚の印刷市場があると想定し、コスト効率がよいソリューションでそれを満たそうとしている。ColorStream Monoは京セラのヘッドを利用しているが、フルカラーよりは印字率が低いので冷却を減らして電子部品をシンプルにしている。キヤノンによれば、これらの設計と運用コストの削減で、この機械のTCOは電子写真よりも低くなっている。

同時に導入されるのがColorStream 6000 Chroma連続紙プロダクションインクジェット印刷機である。ColorStream 3000、3000Zと同じく安定したColorStreamシリーズに、“新しいレベルのカラー”を提供している。新しいChromeraインクはより多く積載することができ、高い濃度と広いガマットを実現している。このインクはさらにコート紙、非コート紙にかかわらずより薄いメディアに少量のインクで印刷することにより、アプリケーションを広げるべく設計されている。新しく導入されるOce HeadSafe技術は、モノクロとフルカラーの印刷で切り替えができる。ColorStream 6000シリーズは、分速48~127mをフルカラーで印刷し、モノクロ時はオプションで最速150mまで加速することができる。

ColorStreamの連続紙印刷機には、キヤノンはInnovation Packageをアップデートした。それにはインクをイジェクションするのではなく、ヘッドの中で常に循環させる技術である。この技術でヘッドとインクが“訓練”されることにより液滴のサイズと精度は向上し、イジェクションをしないことから使用するインクの量は削減される。またヘッドの寿命も延長される。It also includes an image macro smoothness optimization for all colors, which improves the smoothness especially for saturated secondary colors. これはファームウェアのアップデートで既設のColorStreamに適用される。

PreFire Simulation

出典: Canon

もう一つHunkelerで紹介されたものをレフレッシュしてご紹介するとのはキヤノン ColorStream 3000Zである。この機械は設置場所の制約がある場合を想定している。ColorStream 3000よりも約30%設置スペースが少ない。6.5~21.25インチの印刷幅で、分速48~127mで顔料、プレミアム顔料、染料、そしてセキュリティーインクを最大6色まで印刷できる。もともとは設置場所に制約がありがちなアジア市場向けに開発された。しかしこの機械の導入以降、設置場所の制約は至る所にあると認識して、この機械の需要が広がっている。

ImageStreamシリーズの印刷機はファームウェアと安定性向上のアップグレードが見込まれている。


結論

これらのプロダクションインクジェットに関する情報は、drupa2016が近付くにつれ数が増えてくるので、アンテナを高くしておいていただきたい。これまでのように、多くの詳しい情報をdrupaに来られる方に提供したいと思う。行かれない方も、どうかプロダクションインクジェットへの投資の研究は進めていただきたい。

 

 

  

whattheythinkmini
By David Zwang
Published 2016年3月2日
原文 http://whattheythink.com/articles/79212-inkjet-drupa-2016-continuing-story-canon/

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