Hunkeler Innovationdaysに参加できたのはこれが3度目だが、このユニークなエベントは回を追うごとにより大きく、よりよく進化している。 今年は会場のLucerneメッセが拡張したのを上手く利用して、このイベントはよりインターラクティブに、そして居心地がよくなった。もしHunkeler Innovationdaysに参加したことがあれば、このイベントのユニークさはご理解いただけるだろう。もしまだなら、今のうちに2017年のカレンダーに書きこんだほうがよい。このほぼ一週間のイベントに5,500人が参加するのだ。
信じられないのであれば、 I.T. Strategies社のMarco Boer氏のビデオを見て、彼がHunkeler Innovationdaysについて何を言っているかを見て欲しい。
2015年のこのイベントには40社のベンダーがプロダクションラインを展示ホールに並べ、いくつかの併催イベントと、多数のタイムリーで情報が多彩なコンフェレンス、さらには会議、ネットワーキングの場所として最適なダイニングルームにはコーヒーと食事が提供された。ソフトウェアと紙の会社向けの展示ホールでも提供されている。
メインの展示場では、主要な業界のプレーヤーがこぞって、スイスの永世中立の精神に則ったように、アプリケーションを絞ったプロダクションラインを端からは端までコラボレーションして作り上げている。これがこのイベントで最もユニークな点のひとつだ。これはスイスだからできたのだと思えるかもしれない。これはHunkelerのイベントなので当然だが、全ての構成の中になんらかのHunkelerの物が利用されている。しかしそれぞれのラインには、先進的なフロントエンドのソフト、印刷機、加工機がHunkelerのパートナーから供給されているのだ。
また新製品の発表の場として、drupaの合間を埋める絶妙のタイミングでもある。(少なくともdrupaが3年周期になるまでは。) Hunkeler自身はアップグレードされたミシン目とパンチング機DP8を発表している。最新の大きなユーザーインターフェースで、オペレーターがミシン目を、処理されるPDFの画像にドラッグ&ドロップで書き込める機能を持っている。また後加工を含むプロダクションの工程全体を制御し、より統合された自動化を可能とするコントロールシステムも発表している。 さらにはインクジェット紙も対応可能な、印刷前後のロール紙用のコーターも発表された。最後に極めて興味深い、小ロットの書籍生産用のスマートボックスが展示された。Hunkeler商品についてはHans Gut氏のインタビューをご参考に願いたい。
Canon サプライズ
Canonはこのイベントを長年待ちわびたインクジェット枚葉機、コード名Niagara、現在は正式名称Canon Océ VarioPrint i300の発表の場としてうまく使っていた。さらにはインクジェット機2機種をサプライズで発表していた。 ImageStream 3500のエントリー機であるOcé ImageStream 2400とColorStream 3000Z 輪転機である。WhatTheyThinkからはDavid Zwangがレビューしている(和文)。
HP HDNA
HPは最新のHDNA=High Definition Nozzle Arhchitecture(高解像度ノズル構造)プリントヘッド技術が可能とした素晴らしいプリントサンプルを、Hunkeler Innovationdaysの参加者に披露した。1インチあたり2400個のノズルが繰り出す本物の1200dpiの画像が、従来のプリントヘッドよりも33%スピードアップしている。この技術が市場に登場する来年初頭から、既存機のアップグレードも可能となる。またスイスの小売業MIGROSのアプリケーションをHP T230 カラーインクジェット機で実演を行った。MIGROS/TrendCommerceのパートナーシップがいかにMIGROSのダイレクトマーケティングに大きく寄与したかについてインタビューを行った。これにはWhatTheyThink で近々公開する予定である。
KBA RotaJET
残念ながらスペースの問題でHunkeler InnovationdaysにはKBA RotaJET(英文)の設置は叶わなかったが、KBAは、そのプロダクションインクジェット市場への参入を知らしめるプラットフォームとして利用した。 プリントサンプルは幅広く、書籍、商業印刷、装飾からパッケージ(ダンボールも含む)に及ぶ。我々が見るに、多くの参加者がこの機会にKBAの営業とより深い会話ができていたようだ。彼らの関心は、この設置後もアップグレードが可能な印刷機のシリーズが、いかに彼らのビジネスを成長させることができるか、であった。
Kodakが帰ってきた
Kodakブースのテーマは PROSPER 1000+(英文)、このコンパクト設計のモノクロインクジェット機、改善された品質と最速1000fpm のスピードは、モノクロのインクジェット機としては市場最速であると喧伝していた。またKodakインクに最適化されたオフラインのコーターを発表している。 コートされたオールは印刷機に直接、または在庫される。KodakはPROSPER印刷機を40台設置し、新CEO であるJeff Clarkeが昨年発表した目標に到達したと発表した。
Pitney Bowes Ups Its Game
Pitney Bowes はHunkeler Innovationdaysにおいて、Epic 封入機(英文)を発表した。 この高速のマルチフォーマットの機械によって、郵便業者は単一の工程で、レターからペラへの切り替え、戻りが可能となった。さらに4色の封筒風のラップの生産用のEngage Envelope システムを発表した。 Eddy Edel氏とLisa Sutrick氏のビデオをご覧いただければ、これらの発表の詳細と顧客のコミュニケーションをより関連づけるPitney Bowesのソリューションがご理解いただけるだろう。
Ricohが夜明けをHunkelerに待ってきた
Ricoh Europeは新しいカスタマーセンターを英国Telfordに開設して以来New Dawn=夜明け、というテーマをここ数ヶ月使っている。そして “ワークフローの夜明け”とともにTelfordを出て、Hunkeler Innovationdaysに初めてその次世代機であるRicoh Pro VC60000 production inkjet press(英文)を披露した。さらにRicohブースでは最新のRicoh ProcessDirectorが公開された。Critical Communicationsソリューション・スイートの骨格として、異なるコミュニケーションのチャネルを管理する統合型ワークフローである。Ricohの Benoit Chatelard氏とMike Herold氏のビデオインタビューにより詳しい情報がでている。
Xeikonがスピードと品質を吊り上げた
XeikonはHunkeler InnovationdaysをXeikon 9800 digital press(和文)の発表の場と選択した。シリーズの8800の後継機として1200×3600 dpiの解像度で最速21.5 m/minで印刷が可能、デューティーサイクルは1000万枚である。 この機械はXeikonの最新のQA-CD ドライトナーを用い、品質を犠牲にすることなくコストを削減することができる。 さらにTrillium液体トナーの最新サンプルも展示した。これは来年度に市場投入される予定である。CEOのWim Maes氏と最新のXeikonについて語ったインタビューを撮影した。こちらをご覧頂きたい。
XeroxがImpikaブランドを一新。ロールトゥシート機を発表
XeroxがImpikaプロダクションインクジェット機のブランドを一新して、Xerox Rialto 900 インクジェット機を発表した。合併した両社の本当の意味でのコラボでできた商品である。 このロールトゥシート機はコンパクトで品質も高く、WhatTheyThinkの著者でもあるDavid Zwangによれば、“今まで見てきたインクジェット機との決別”であるという。 詳しくは彼のRialto 900のレビュー(和文)を見ていただきたい。
さらに
イベント期間中に我々WhatTheyThinkは、エンドユーザーにも展示社にも素晴らしいインタビューをすることができ、撮影した。今から数週間に渡ってご覧いただく予定である。ご覧になればきっとお気に召すであろう。
By | Cary Sherburne |
Published | 2015年3月18日 |
原文 | http://whattheythink.com/articles/82845-customer-experience-gap/ |