大手流通業、例えばLands’EndやJ.C. Penneyはカタログの売上貢献の重要性を再認識して、印刷カタログに回帰している。このニュースレターは最新のInfoTrendsの調査に基づき、いかにカタログが顧客に接近するために重要なマーケティングツールであり続けるか、ということに焦点をあてる。
何故、最近ダイレクトメールが復活しているのだろうか? カタログが売上に貢献する力を理解すると、読み解けてくるかもしれない。
この正月にNew York Timesが、「カタログが、長年沈んできたが、変革期に浮上する」と題する記事を掲載して、Lands’Endを小売大手がカタログの利用を拡張する初期の例としてあげた。 2000年にLands’ Endが顧客に配布するカタログを減らして以降、売上を100MUS$=100億円落としているからだ。 事後にWebサイトのポップアップで調査を行ったところ、75%の顧客がまずカタログを見てから買い物をするのを発見。カタログを止めてしまった結果、ビジネスを行う上でそれが依然として重要な役割をはたしていたことに気が付いたのだ。一方、昨年J.C. Pennyは印刷したカタログを復活させた。オンラインでの売上の多くは、消費者がまず印刷カタログをみて触発されたと、データが示していたからだ。
ダイレクトマーケティング協会によると、約9000万人のアメリカ人がカタログで買い物をし、その60%近くが女性である。米国カタログ郵送協会によると、カタログを受け取った消費者は、平均年間850US$=85,000円をカタログに消費するという。
消費者はカタログが好き!
昨年12月、InfoTrendsは「ダイレクトマーケティング、プロダクションプリンティングと付加価値サービス:成長への戦略」という複数顧客への調査報告を完成させた。この調査で紙のカタログがもたらす価値についてまとめている。要約すると、消費者はカタログを好んで使っているということだ。約64%の消費者が、欠かさず定期的に、またはほとんど定期的に受け取ったカタログを読み、34%が時折読むという。
紙のカタログが価値ある情報元であることは明らかである。現在の小売業では、高品質なコンテンツのマーケティングにカタログを利用している。 高品質な印刷で、物語、ファッションショーのイメージ、セレブの一押し、デザイナー、ルームレイアウト等は、ブランドの個性を伝える素晴らしい方法であることが実証されている。売上獲得、拡大のために調理器具のWilliams Sonomaは、消費者が調理に必要なレシピを商品のとなりに掲載している。InfoTrendsの調査によれば、この努力は報われている。カタログを受け取った3/4近くの消費者が、商品を知るのに役に立つ、と答えている。さらに90%近くの消費者がカタログを、彼らの興味を惹く物について、よりよく知り、ヒントを得るために利用しているのだ。
消費者は印刷を好む
消費者は印刷を好む 紙のカタログは依然デジタル版に勝っている。紙のカタログは消費者の自宅のテーブルの上で存在する力があり、印刷を好むのはあらゆる世代グループにまたがっているからだ。調査によれば、59%が印刷をより好み、30%が印刷とデジタル版が同等。デジタル版をより好むのはわずか9%である。カタログはブランド企業にとって消費者と繋がる大いなる機会を提供しているのだ。
カタログは行動を喚起する
あらゆるダイレクトメールにとって最も重要なことは、消費者に行動喚起を促す力である。カタログはオンラインでも実店舗でも売上をあげるために最も重要な力を持つ。カタログを受け取った消費者の62%が、カタログに影響された購買を過去3ヶ月に行っているという。
これから
インクジェットの印刷、生産能力と、顧客の好みに対する豊富なデータによって、カタログは変わりつつある。カタログを利用するマーケティング部門は、カスタム化、パーソナル化、そしてバージョニングの重要性を理解している。消費者を実店舗やWebサイトに誘うべく、より小ロットに、よりカスタム化されたものがより多く製作されている。
バージョニングとは、多彩な顧客のセグメントにそれぞれに誂えられた異なったバージョンのカタログを送る、という業界用語であるが、そのバージョニングの複雑さとコストを抑えるということにインクジェットの意義が大きい。さらにカタログ製作者は、ハイブリッド・カタログの可能性にも期待している。ハイブリッド・カタログとは、表紙が特定の読者に関連付けられたユニークな提案になっており、それで興味を惹いてオフセットで印刷された本文に引き込むのだ。
まとめ
結論として、マーケティングの目的は、顧客と結びつくことにある。例え景気が再び下がろうとも、カタログは実証された仕組みとして存在し続けるだろう。印刷カタログは、告知、教育、実店舗やWebへの顧客誘導、ブランドの差別化、顧客との関係保持に大いなる能力があることを、マーケティング部門は認識しているからだ。トップブランド企業は、カタログを他のメディア(例:メール、ソーシャルメディア等)と統合し、より良い顧客体験をもたらそうとするだろう。顧客からのレスポンスが良いカタログは、今後も長く必須の道具であり続けるのだ。
By | Barb Pellow |
Published | 2016年2月04日 |
原文 | http://whattheythink.com/articles/78839-catalogs-power-drive-sales/ |